2018年06月23日
ゲド戦記4 帰還
「ゲド戦記」を読んでいるのは、6/30百町森での「ゲド戦記哲学対話」に参加するにあたり、1巻から3巻までを読んでおくという宿題が出されていたから。
テルーが一向に出てこないので、第4巻を読み始めた次第です。
「ファンタジーアドベンチャー」ゲド戦記は 3部作で完結と思われてきましたが、16年(日本語版は18年)も経ってから第4巻が出版されました。
4巻は、テーマが少し異なり、第2巻「こわれた腕輪」で神殿の大巫女だったテナーのその後のお話。
ゲドやアレンが大冒険をしていた頃、テナーは、名前を変え、農家のおかみさんとして暮らしていた。後家となっても妻には相続権はない。
テナーが大魔法使いや王様(アレン)と知り合いであることや、伝説の「腕輪のテナー」だったことは家族も知らない。
娘と息子はすでに独立し独り身だったので、テルーを養女に引き取る。
テルーは虐待され、大火傷を負わされた少女。7才くらいだが、当初は2才児のように小さくて痩せていた。性的暴行を受け証拠隠滅のため火に投げ込まれた。レイプに殺人未遂という児童文学らしからぬ設定。
顔の半分はケロイド、片目はつぶれ、手は癒着して竜の鉤爪のように曲がっている。
ジブリ映画では、いい声で主題歌や挿入歌を歌っているが、火傷の後遺症で小さくかすれた声しか出せない。
この巻には複数の魔女が登場する。女は魔法使いにはなれず「まじない師」と呼ばれる。中には呪いをかける者もいるが、多くは産婆か治療師である。
ゲドは満身創痍で竜に乗り、亡くなった師匠の家に帰ってくる。もはや魔法は使えず、山羊飼いになる。
テルーを虐待した男たちがテルーを連れ戻しに来ると、テナーとゲドは正当防衛で殺人と死体遺棄をする。
テナーはゲドと再婚し、亡き夫の農園で暮らすようになるが、突然、船乗り(海賊)をやめた息子が帰ってくる。息子は「女の仕事だ」といって一切の家事をしない。テナーは息子の育て方を間違えたとしきりに後悔する。
テナーはゲド、テルーを連れて家を出る。
旅の途中、テナーとゲドは悪い魔法使いに捕まり死にそうになる。
テルーは竜を呼び危機を救う。
2018年06月21日
ゲド戦記(1巻〜3巻)覚書
今から50年前にアーシュラ・ルグウィンによって書かれた「ゲド戦記 第1巻 A Wind of Earthsea」は、その後の児童文学やアニメーション、ゲームなどに大きな影響を与えたことが分かります。
〈ゲド戦記1 影との戦い〉
薬草や薬木が多数登場。
ダニー→ハイタカ→ゲドのように、登場人物の名前が変わる。ゲドはナウシカに登場するユパのモデルか?
真の名を知れば魔法でコントロールすることができる。(千と千尋の神隠し)
魔法使いは魔法使いとして生まれ、魔法学校で学ぶ。(ハリーポッター、メアリと魔女の花)
オジオンはゲドの師匠。ゲドはオタクという小動物を連れている(ナウシカのキツネリスみたいな)
魔法使いは風使い。竜のオームというのが出てくる。(ナウシカにも・・・)
竪琴や吟遊詩人が登場する。ゲドは「ハイタカの歌」に唄われる。
ゲドはハヤブサに変身する。魔法使いは動物に変身できるが、消耗し、名前を忘れると戻れなくなるリスクも。(千と千尋の神隠し、ハウルの動く城)
大魔法使いとなったゲドのは魔法学校からイチイの杖を授けられる。(ハリーポッター)
夏至と冬至、光と闇の統合で全き人間になる。
〈ゲド戦記2 こわれた腕輪〉
神殿の巫女テナーはアルハ(食らわれし者)と名付けられる。
名前を取り上げられる→名前を取り戻し解放される(千と千尋の神隠し)
巫女はセージで髪をすすぐ。
竜は千年生き、最古の言葉で話す。
トーク(小石)
腕輪がつながると神聖文字が現れる。ゲドはテナーを闇から解放する。
〈ゲド戦記3 さいはての島へ〉
王子アレン(剣)→レバンネン(ナナカマド)
大賢人ゲドのイチイの杖にはルーン文字が彫られている。
通貨はは黄金か象牙。
港町ではピンク色のほれ薬やハジア(麻薬?)が売られている。
魔法使いは宇宙の均衡を崩さないことが重要。
ゲドとアレンは、竜の背中に乗って黄泉の国から脱出する。
火傷の少女テルーはまだ登場しない。
2018年03月21日
天然発酵の世界
農耕を始める前から、人類はさまざまなものを自分たちで発酵させてきた。時代と空間を超えて、脈々と受け継がれる発酵食品。
この本では、人類と発酵の歴史、ザワークラウトなどの野菜の発酵、味噌、テンペなどの豆の発酵、ビーガンにも対応できる乳酸発酵、サワードウのパン種、甘酒、蜂蜜酒ミードなど発酵飲料のレシピを100種類くらい紹介している。
「温度は、指を入れてちょっと熱いくらい」的な表現好き。
「天然発酵の世界」サンダー・E・キャッツ著 築地書館
2018年02月09日
読書感想文:すらすら読める養生訓
江戸時代の儒学者、貝原益軒は80歳くらいのときに「大和本草」という本を書きました。これは日本初の体系的な薬学書で1300種類もの植物が一部図版で解説されています。
そして、83歳ごろに書いたのが有名な「養生訓」です。健康で長生きする方法が書かれています。
平均寿命が40歳くらいの時代です。
彼は、時おり楽器を演奏し詩歌を吟じ、香など焚きながら鍼灸で気の調整に努め、かなりホリスティックなライフスタイルを送っていたようです。
「短命なのは生まれつきではない。十人のうち九人までは、みな不養生で自分のからだをこわしている。だから養生の方法を心得なくてはならない。」
「からだをたもち養生するのに、きわめて大切な一字がある。それは『畏』という字である。畏れるということは、身を守る心構え(心法)である。」
「薬を飲まないでも自然になおる病気が多い。このことを知らないで、むやみに薬を使い、薬にあてられて病気をひどくし、長く回復しないまま死んでしまう者も多い。」
「養生の道は病気のないときに、慎むことである。病気になってから薬を飲んでもなおりにくく、なおりも悪い。」
「老後は若い時より月日が過ぎるのが早いことは十倍であるから、一日を十日とし、喜び楽しみ、無駄に日を暮らしてはいけない。」
「からだを動かし気をめぐらすのがよい。寝ることを好み、なまけて動かないのは養生にたいへん悪い。とくに、食後はかならず数百歩あるいて気をめぐらし食べたものを消化させるべきで、すぐに眠ってはいけない。」
なんてことがやさしい言葉で書いてあります。
「すらすら読める養生訓」
立川昭二著
講談社
2018年01月25日
読書感想文:汚れた腸が病気をつくる
日本の美しいマナーのひとつに「食事を残さない」というものがあります。
私自身もそう教えられ、お腹いっぱいでも、よくない材料で作られたものでも、捨てたらバチが当たるという罪悪感から、とりあえずお腹に収めることをしていました。
しかし近頃では、胃腸はゴミ箱ではない!と言い聞かせて、残したり廃棄したりすることを躊躇しないように心がけています。
本書には「人間の体内で消費される化学物質はすべて、吸っている空気と飲む水を除き、食品から摂取されている」と書いてあります。
腸を汚染しない方法は、まず第一に、身体のバランスを乱す加工食品を食べないようにすること。
そして、便秘をしないことです。ちなみに、お通じが2日間なかった場合、6回分の食事が37℃の環境で、大腸の端から端までみっしり詰まっているという事実は衝撃的です。
「汚れた腸が病気をつくる」腸をクリーンにする研究的方法
バーナード・ジェンセン著
ダイナミックセラーズ出版
2017年11月28日
奇跡が起こる半日断食
断食は遺伝子が獲得した自然治癒活性化の最高手段である。
まずは無理せず、朝食抜きの青汁(グリーンスムージー)から。
朝食抜きで高血圧、糖尿病、肝炎、腎炎、アトピー、リウマチがぞくぞく治っている!「奇跡が起こる半日断食」
甲田光雄著
マキノ出版
2017年11月14日
ガストン・ネサンのソマチッド新生物学「完全なる治癒」
昨年夏、私は赤坂のクリニックで、指先から採取した一滴の血液を特殊な顕微鏡映像で見ていた。血球のまわりをソマチッドが動き回っていた。
ソマチッドは細胞より極微な生きた有機体で、DNAの前駆体とも、肉体と魂をつなぐものともいわれている。
生物学者のガストン・ネサンは、ソマチッド理論に基づいて、有効で無毒、しかも安価な抗ガン剤を開発し、多くの命を救った。しかし1989年、カナダの医師会によって告発され、裁判にかけられた。
結果は不起訴となったが、安価で有効な薬は医師会にとって都合が悪かったらしい・・・。
ガストン・ネサンのソマチッド新生物学「完全なる治癒」
クリストファー・バード著
徳間書店
2017年11月13日
家庭でできる食品添加物・農薬を落とす方法
「食の安全」の専門家が唱える、食材選び、表示の読み方、除毒できる下ごしらえ法など。
ゆでこぼし、アク抜き、塩もみ、酢洗い、しょう油洗い、味噌漬け、粕漬け、etc.「おばあちゃんの知恵」は理にかなっていた!
増尾清著
PHP
2017年10月25日
歯はみがいてはいけない
「1日3回、毎食後3分以内に、3分間の歯磨き」は誤った常識であり、最も歯に悪い習慣だった。
まずフロス、歯間ブラシ、最後に軽く歯ブラシ!
「やっぱり、歯はみがいてはいけない 実践編」
講談社+α新書
2017年10月07日
読書感想文:エジプトのミイラ
はじめてミイラになったエジプト人は伝説の王オシリス。妻のイシスが亜麻布の包んだのがミイラのはじまりといわれている。
ミイラ作りにはミルラ(没薬)をたくさん使う。
エジプトのミイラ(絵本)
アリキ・ブランデンバーグ
あすなろ書房
そして髪型の歴史の絵本では、中世から近世のヨーロッパのライフスタイルがわかる。
「なぜカツラは大きくなったのか?」
ピーター・マローン 他
あすなろ書房
木の本は日本の森林の四季を美しく描いた絵本。図鑑としてもすばらしい!
「木の本」
高森登志夫 他
福音館書店