2018年05月03日

精油ものがたり11:ネロリ




ネロリとは、ビターオレンジ(ダイダイ)の花から水蒸気蒸留法で得られる精油だけに使われる名称です。

一般にネロリウォーターとして売られている芳香蒸留水は正式には「オレンジフラワーウォーター」、油脂吸着法や溶剤抽出法で得られたアブソリュートは「オレンジフラワー」または「オレンジブロッサム」と呼び区別されます。

今回はネロリ命名のものがたりです。

17世紀のイタリアでは、小さな国がそれぞれ城を構え統治していました。その中の1つにネロラという公国があり、城の主人である公爵は錬金術師でした。

公爵は、フランスから再婚でやってきた妻のマリー・アンヌが田舎で退屈しているのを不憫に思い、自分で蒸留したビターオレンジの精油を革手袋に着香してパリの社交界へ送り出しました。

ビターオレンジの学名は Citrus aurantium(=金)。うまい具合に、水と火と塩から金を錬成する、というメタファーになっています。

さて、当時のパリの社交界では、ラベンダーやローズマリー、ローズの精油の香水手袋が流行していましたが、貴婦人たちは、かつて嗅いだことのない素晴らしい香りに魅了され、「ネロラ公妃の香水手袋」にちなみ、ビターオレンジの花精油をネロリと呼ぶようになりました。

香水瓶が一般的ではなかった時代、香水は革の手袋に染み込ませて使うものでした。革の匂いも消えて一石二鳥だったわけです。

また、貴婦人たちは、ウエストをコルセットで締め上げていたので、しばしば呼吸困難や脳貧血を起こして失神していましたが、ネロリの香りは精神安定のための嗅ぎ薬としても使われていたそうです。

現在では、ネロリの精油成分に、鎮静・緩和・高揚作用があることが明らかになっています。

そしてもう1つ、ネロリ精油は皮膚の再生を促進し、美白する作用もあるようです。果皮を圧搾した精油と違い、光毒性がないのも魅力です。


Konohanaでは、プロフェッショナル仕様のお得な精油と、そのまま化粧水として使えるオレンジフラワーウォーターを販売しています。

テスターで、白い花弁の放つ高貴な香りをお試しください。


バックナンバーはこちら☟
http://konohana2.eshizuoka.jp/c68020.html


054-251-8007



同じカテゴリー(精油ものがたり)の記事画像
精油ものがたり13:ジンジャー(ショウガ)
精油ものがたり12:オレンジブロッサム
ビターオレンジ(ダイダイ)の花から油脂吸着法
精油ものがたり10:レモンマートル
精油ものがたり9:ベチバー
精油ものがたり8:クラリセージ
同じカテゴリー(精油ものがたり)の記事
 精油ものがたり13:ジンジャー(ショウガ) (2018-05-07 14:26)
 精油ものがたり12:オレンジブロッサム (2018-05-06 16:16)
 ビターオレンジ(ダイダイ)の花から油脂吸着法 (2018-05-04 09:57)
 精油ものがたり10:レモンマートル (2018-04-29 10:46)
 精油ものがたり9:ベチバー (2018-04-28 06:42)
 精油ものがたり8:クラリセージ (2018-04-26 12:43)

Posted by Konohana2  at 13:26 │精油ものがたり